夏山シーズンとなり、お盆は登山へ出掛けられる方も多いと思います。
今日は私なりの持っていく道具を選んだ基準と、軽量化するにあたってとても大切なことをお話したいと思います。
この記事では縦走登山をしたことがある人で、登山道具の軽量化のヒントを探している方へ向けた記事となります。
軽量化する目的を紹介します
軽量化とは、道具が軽くなったからこそできるものです。今も昔も使うものは同じですが、より軽い道具が増えてきました。
道具が軽くなったからこそ、できる余力が増えたり、歩ける距離が長くなったりするのです。一つ一つ、道具を使いながら自分の経験値と照らし合わせることでより軽い道具を選ぶことが出来ます。
山に行く理由は写真を撮りたいため
山に行く理由は、私は綺麗な映像と動画を記録したいので山に行きます。そのため、撮影道具は重くなりがちです。
登山道具をできるだけ軽くすることで、撮影道具を運ぶ余力ができます。
体力が不安なら、荷物を軽くするのはとても良いことです
お恥ずかしながら普段体を動かさない私は体力に心配があります。
そこで、登山道具を軽くして体力の消耗を少しでも和らげようとするのが今回の目的です。
ただし、いくら軽量化したとはえい、身軽でも登山は疲れるものです。大きな山に行くなら、準備運動は大切ですね。
今回はアンダー5kgを目指します
ベースウェイトと呼ばれる言葉があります。これは変動する食料等を除く重量のことを指します。テントや寝袋を含めた重さなので、実現するにはそれなりの資金と、多少の工夫が必要だと思っています。
私はこの装備を揃えるのに7年ぐらいかけて少しずつ揃えました。一度に纏めて買えば、軽く20万オーバーで費用がかかると思います。
私が参考にしている書籍
ウルトラライトハイキングについては、私は下記の本の情報を参考にしました。もし軽量化に関して情報を模索しているのであれば、一度は読んでも価値のある内容だと思います。
ウルトラライトハイキングギア
ウルトラライトハイキング
軽くすることがメリットに繋がるとも限らない
背負う荷物が軽いと、歩く負担は間違いなく減ります。しかし、道具の性能が劣ることで全体の山行きでみると、デメリットになることがあります。
少しの重量増なら、場合によっては重たいギアを選択することもあります。その方が快適に登山できるでしょう。
軽さを重視した道具を紹介していきます
登山経験、アウトドア経験の中で選んだ道具を紹介していきます。
テント
テントはダブルウォール、自立式(半自立)を目指して選択しています
登山で使うテントの多くは山岳テントと呼ばれるものです。特に軽量化を目論む上で、山で使えるスペックはとても大切です。
私が今度の山行で使うテントはこちらです。
画像
下記モデルは旧モデルで、インナーがメッシュの仕様です。
こちらのテントは、ダブルウォールで半自立式です。重さはペグ等込みで853gに仕上げられているので、とても軽いです。
軽さはフレーム形状に現れています。片方は二俣で幅の確保をしています。片方は一本のフレームのため、ポールの重さの軽量化に繋がっています。
ちなみに、以前まで使用していたモンベルのステラリッジテントは1890g(グラウンドシート、張綱、ペグ込み)になります。
ちなみに、非自立式を選ばない理由は設営場所に関して、テントを山以外で使うことがあるからです。
今後は自転車等でもツーリングに行きたいと思っていますが、場所によってはベグダウンができずに設営が不十分にできない可能性があることはバイクのツーリングで感じており、半自立でも、自立することのメリットを感じています。
軽さを重視した山岳テントはたくさんあるので、細かな違いを確認していきたいと思います。
2.結露に対する性能
3.素材、耐久性
1.耐風性に優れる
風が穏やかでも、突然風が吹いて強風に見舞われることもありますし、その風がまた強い風で、まともに立っていられないぐらいの風になったりすることがあります。
軽量テントの中には耐風性が強くないモデルがあります。特に風に対してはポールの構造が大きな役割を示しています。
写真では、モンベルのステラリッジ、ニーモのホーネットを比べています。
写真(左):フレームがクロスした形状は耐風性の強度がある構造です。
写真(右):ニーモのようなフレーム形状は軽いですが、クロスフレームよりは耐風性に劣ります。
この辺りは実際の使用で強度等を確認していきたいと思います。
2.結露に対する性能
結露は温かく湿った空気が冷たいものに触れると発生します。テントにも同じ状態が発生します。
軽量テントの中にはシングルウォールの軽量なモデルがありますが、これはテントの内側に人が居ると内部の空気が温められ、外の気温次第では結露が発生しやすくなります。
結露が発生すると、テントの生地が防水生地でも内側に水滴が溜まり、寝袋などを濡らす原因になります。
ダブルウォールは内外の気温差を多少和らげる効果があります。インナーテントがメッシュの場合、テントの内外気温差を和らげる効果があります。(気温が下がると、テント内も温度が下がりやすいです)
3.素材、耐久性
軽さは素材の軽さによるものが大きいですが、軽い生地は薄い生地になることが多いです。その分岩などによる破れなども発生しやすいです。
注意して使う必要も出てくるので、生地の耐久性を重視した方が長く使える製品となることが多いです。
上記3点を踏まえた上で、選択しやすい軽量テントがNEMOのテントかなと思っております。
番外編
山のテン場に行くと、上記二つのテントの数が圧倒的に多いです。これはダブルウォール、クロスフレーム、そして、生地の耐久性も強く、軽量でありながら、4〜5万で購入できるという点にあり、スペックは素晴らしいと思います。
軽量なテントの非自立式について
軽量テントには防ぐことの出来ない隙間が出来るものもあります。それらのテント、もしくはツェルトと呼ばれるものは虫などの害を免れないかもしれませんし、雨の侵入もあるかと思います。
私は少し重たくても隙間のない、自立するテントを使いたいと思います。重量は増えれど、テン場についたときの快適さが違うからです。私の中で快適に寝れて、次の日に疲れを残さないのは大切なことです。
日本の山岳で使うには耐風性は必要不可欠です。これが軽量テントだと明らかにフレームの剛性不足であったり、生地の耐水性が環境に合わない場合があります。
寝袋とマット
薄手の防寒着を複数枚用意し、レイヤリングで調整しています
寝袋は、外気温10度を想定して計画します。私は寒さに対する訓練をしたことがないので、保温に関しては薄手のものを複数重ねることで保温力を得ます。
その分一つ一つのアイテムを軽いものにして、トータルの重さを増やさないようにしています。
今回はHighland Designsのトップキルトを使用します。これは化繊綿なので、湿気に対しての保温力に優れています。寝袋の重さは369gです。
ダウンウェアを着て寝ることで、薄い化繊の寝袋でも、10度であれば暖かいです。
寝袋は軽量化できましたが、本当に大切なのは、地面の底冷えを防ぐことです
地面からの冷えの伝わりは、想像以上に体温を奪っていきます。
今回は自作のバックパックで行きます。
このザックは生地を軽量化しているので、芯がありません。代わりに、マットを芯として利用します。
足りない部分はザックの背面パッドを使用します。
この組み合わせで長さが175cmとなり、エア枕を足せば身長が高い人でも寝ることが可能となります。
寝具(枕+ウールのアンダーウェア
エアピローの重さは61gです。これがあると、普段寝ている時と同じように寝れるので持っていきます。疲れは良い環境で寝ることが大切です。次の日の行動に支障をきたさないポイントですね。
乾いた衣類で寝ることはとても大切なことです
ウールのアンダーに関していえば、行動着として使えば荷物を減らすことができますが、行動時で濡れてしまった汗はなかなか乾きません。
汗が乾く際には、気化熱が発生します。その際に体温を奪うので、乾いた衣類で寝ることはとても大切なことです。
保温性に優れたウールのアンダーウェアは上下で311gです。
軽量で保温性に優れたダウンウェアを採用しています
ダウンジャケット上下は381g、ソックスはウールのソックスで119gです。本当に寒ければ、ボトルにお湯を入れて、湯たんぽ代わりにしようと思っています。
ダウンジャケットの上に関しては、スナップボタンのものを採用しました。
ファスナーより軽くなるのと、収納サイズが小さくなるからです。
ヘッドライト、ルームライト
早朝アタックをする場合やテン場を移動する際に光量があると移動しやすくなります。そのためにも充電式のものであれば、必ず充電して準備しておくようにしましょう。
バッテリーの機能を備えているものを用意しました。これであれば、部屋を照らしながら必要機器の充電も可能なため、重量も削減することができます。
10000mのバッテリーがあるので、携帯の充電、カメラのバッテリーの充電が可能です。
バーナー+コッヘル+ガス缶
お湯だけ沸かすか、それとも炒め物も作るかで検討できます
私はテント場での夜食については、フリーズドライで十分な人です。なので、お湯さえ沸かせれば十分です。
お湯だけ沸かす派
少し重たいのですが、お湯を沸かす速度は最速です。スピードハイク、長期のロングハイクに最適です
お湯が早く沸く特徴は
フラックスリングと呼ばれる形状のおかげです。波の部分が熱を蓄えて少ないガスの量で多くの熱量を産みます。結果として早くお湯が沸くという仕組みです。
また、ガス缶も一番小さいものでより多くのお湯を沸かせるので、トータルの軽量化にもつながります。ガス缶込みで546gです。
十分な火力があります。良さは燃料の量が見えるので、行動日数、必要な水を沸かす分の燃料を携帯できることです
アルコールストーブや五徳等をチタンにすることで、大幅な軽量化を目指せます。
風には弱いので、ウィンドスクリーンは必ず必要となります。さらに、燃焼には大量の酸素が必要となりますので、換気の良い場所、かつ直接風の当たらない絶妙な場所を選んであげる方が良いです
時期が夏であれば有用なライトウェイトなギアですが、気温が低い時などはすぐにお湯が欲しかったり、風が冷たく、なかなか沸かないこともあるので、時期と環境によって使うか使わないかを判断しています。
炒め物もする派
炒め物をする場合は高出力のものを選びましょう
というのも、ジェットボイルの場合はバーナーの出力は低く設定されています。弱い火力でお湯を沸かせる仕組みがあるからですが、フラックスリングがないと火力が弱いです。
登山のバーナーは出力が強いので、炒め物がしやすいです。プリムスのP-153は出力が強く、お湯を沸かすことも不自由なくできます。軽量化が必要なのは、調理器具の方になりそうです。
他に必要な登山道具
モンベルの軽量・コンパクトなバーサライトシリーズを仕様しています
広域を確認できる大きなものが見やすいと思います
いつでも使用できるように、カラビナを取り付けています
行動しながらでも水分補給できます。今となってはこれ無しでは長時間の登山は考えられないほど便利です
虫刺されによる毒素を取り除くものです
トイレがない場合に使用します
怪我した時に使います。怪我するときは怪我の範囲が大きい時が多いので、大きめサイズが良いです
一ロールは大きいので、使いかけぐらいが丁度良いです
バーナーの火がつかない時に使用します
バックパックにまとめてみました
これらをバッグに入れるとこれぐらいの容量で収まりました。
今回はアンダー5kgを目指しましたが、結果は、、、4435gとなりました。思っていたよりもコンパクトになり嬉しいです。
背負ってみると、とても軽いです。水がなければめちゃくちゃ軽いです。笑
同じ重さの水と食料が加わるので、10kgになるでしょうし、カメラ機材もあるので、13kgには収まるかな?といったところですね。
+行動食・水・食料
補給の水分に関してはポカリスウェットの顆粒を使います。これだと、水が必要な時は水として使い、必要がなければ、顆粒を溶かしてポカリスウェットとして使用できます。
基本は4L持っておきます。2Lはハイドレーションに入れて、ポカリスウェットにしておきます。
残り2Lはウォーターパックに入れて真水の状態で保管します。保管に関しては、軽くて、水が漏れないことがとても大切です。一度別のものを使って、水が漏れたことがありました。中に入っていたダウンウェア等は濡れてしまい、着ることができないこともあリます。。
一部はフリーズドライに使用し、残りはポカリスウェットの顆粒で行動水に使用できるのでオススメです。
カメラ機材についても紹介します
星空を撮影する
星空を撮影する道具は、レンズウォーマー、三脚です。三脚に関しては、今回はミニ三脚を使用しています。
風景を写真として記録する
写真のメイン機材はα7ⅱ、レンズはSAMYANのレンズで画角は14mmです。
行動時の動きのある映像を記録する
GoPro HERO7とジンバルを使用します。
GoProに関しては強力な手ブレ機能がありますが、手持ちだと水平が出せないので、ジンバルで水平を出すために使用します。
アクション性が強い撮影の場合はジンバルではなく、身につけて撮影します。
8月、軽量にした今回の装備で山へ行くので、その時に感じたメリット・デメリットも合わせて紹介していきたいと思います。
軽量化に関して、アドバイスございましたら、お気軽にコメントしていただけると嬉しいです。
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