夏は冷たい飲み物、冬は暖かい飲み物が飲みたくなりますよね。そんな時に活躍するのが魔法瓶です。マイボトルで出かけるとペットボトル飲料を買わなくていいので、節約にもなりますね。今ではいろんな種類が出ているので、素材の観点を含め解説し、好みにあった魔法瓶の選択に役立ててください。
魔法瓶は真空の層によって熱を逃がしません
まず魔法瓶ってなぜ保温、保冷ができるのでしょうか。それは2重構造だからです。だからこそ、取り扱いには注意して欲しいです。
凹ませると、保冷・保温ができなくなる可能性があります
魔法瓶に強い衝撃は決して与えないでください。仮に大きく凹んで、2枚の壁が付いてしまうと、その接点から熱が逃げて、性能を大きく失います。また、中に入っているのは真空に使い環境です。そうすることで熱が伝わりにくいのです。熱は「熱伝導」「対流」「放射(輻射)」によって伝わります。
[box class=”pink_box” title=”熱伝導”]熱伝導は物質の移動を伴わずに高温側から低温側へ熱が伝わる移動現象のこと[/box]
素材が金属のため、金属を伝って熱が移動します。例えばスプーンをずっと握っていると、徐々に温かくなってくるのも熱伝導です。2重構造の筒で形成されているので、内側と外側を熱伝導率の低いゴムで接続できれば、かなりの保温・保冷力を備えることになります。
[box class=”green_box” title=”対流”]対流は物質の移動を伴わずに高温側と低温側が移動する現象のこと[/box]
対流に関しては中の空気が動く可能性がありますが、魔法瓶の2重の中は真空に近い状態を作り出していますので、物質の移動がかなり少ないです。例として、お風呂の追い炊き、熱いお湯は上へ、冷たいお湯は下へ行きますが、次第に均一になるのは対流の効果です。
[box class=”blue_box” title=”放射(輻射)”]熱が放射線(電磁波)によって運ばれる現象のこと[/box]
放射による熱の移動に関しては、中を鏡面にすることで移動を抑えることができます。(真空であっても放射線によって熱が運ばれます)
このように、様々な熱の移動に対してアプローチされているのが魔法瓶なのです。
熱伝導率が違う金属による効果の違い
熱の伝わり方は上記の通りですが、使う金属では熱の伝わり方が違います
ステンレス
ステンレスにも様々あります。SUSと標記し、SUS304、SUS316など数値によって強度、熱伝導率、価格など異なります。魔法瓶では一般的な材料として採用され、強度、価格、製造方法(プレス機に耐えうる材料特性)などから、今ではステンレスが一般的となります。そして、熱伝導率が低い材料としても採用されています。
チタン
チタンは熱伝導率がかなり低い材料ですが、実はステンレスとそんなに差はありません。塊である場合の熱伝導に差はありますが、魔法瓶で採用する場合は板厚が薄いので、差が出ないのです。チタンも同様、熱伝導率は低いです。材料が高価であり、伸びない材料のため加工が非常に難しいため、魔法瓶では採用されていません。
銅
銅は大変熱伝導率が良い素材です。魔法瓶に採用すると、すぐに熱伝導によって熱が逃げてしまいます。そして、純銅であればよく伸びる素材でもあります。切削加工には、この伸びが影響して、削れない問題が発生します。
限りなく薄い金属を使用し、軽量化に貢献しています。
魔法瓶は限りなく薄い金属を使用し、軽さに貢献しています。日常で使うボトルが重いのは嫌ですよね。軽いのに、保温・保冷がしっかりしている高性能な魔法瓶が完成します。しかし、薄さゆえ凹みやすいです。そのため、取り扱いには特に慎重になる必要があります。
冷水では6時間後に7℃以下、熱湯では81℃以上を維持します
モンベル アルパインサーモボトル0.9L(参考文献)
モンベルの魔法瓶では、様々な加工の技術を採用して、軽量で高機能なものが完成しています。
900mlで95度の熱湯(4度の冷水)を満たし、所定時間放置した場合の温度が上記の結果です。軽くて使いやすいボトルはいいですね!
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