天然繊維ウールが保温着として優れている点を深く解説します

ウールって聞くと、羊を連想しますよね。でも、ウールの本当の力を皆さんご存知でしょうか。この素材、実は驚くべき機能を持っていますので、ご紹介します。

ウールは優れた吸湿率を誇る

ウールは暖かいイメージがありますが、初めになぜ素材は暖かくなるかを解説します。

素材が暖かくなるのは、吸湿発熱を行う為

小学生の理科の実験で、液体から気体に変わる瞬間、熱を吸収すると教わりましたよね。その逆で、蒸気が液体に変わる瞬間に熱を発生させます。発熱はこの仕組みからくるものです。繊維の力はすごいですね。着用した衣類が暖かいのは、皮膚から出る蒸気を吸収し、素材が発熱している為です。では、ウールは他の繊維と比べて、どれだけ暖かいのでしょうか。

ウールは他の繊維と比べて暖かいが、より暖かい素材もある

ウールの吸湿率は、ポリエステルに対して40倍、綿では2倍と言われています。その為、発熱量が多いです。しかし、吸湿率で言えば、最近の素材はウールより多くの吸湿を行い、発熱する素材もあります。普段汗をかかないシーンでは、吸着熱が多い素材の方がメリットが多いです。そこで違いが出てくるのが、どれだけ湿気を吸収できるのかというところです。

 

ウールは唯一無二の存在。優れた機能性を紹介

繊維自体がどれだけ水分を蓄えることができるかに焦点を当てます。ここで出てくるキーワードが公定水分率です。

公定水分率を超えると、素材は水分を保持する

素材にも限界はあります。公定水分率とは水分吸収率のことですが、素材により大きな差があります。ポリエステルなどは化学繊維であり、糸自体は水分を全く吸収しません。一時的に吸着熱をウールより生み出せたとしても、吸収量が低いと、現界を超えて水分が溜まることになります。ウールの公定水分率は約16%ですが、この数値以上ではウールでも水分が溜まります。しかし、限界は高いですね。

ウールは親水(しんすい)の天然繊維。汗が多少多くても対応できる

ウールなどの天然繊維は芯が親水(水との相性が良)のため、湿気の吸湿率が良いのです。化学繊維で吸湿率が高いのは、織り方、厚みで水分を蓄える工夫をしている為です。一方、ウールは糸一本一本が水分を吸収します。その為、限界が他の繊維に比べて高いのです。汗などに対して素材はある程度の許容値を持っていますが、ウールは運動時にも悪影響が出にくい素材ということです。

 

ウールは臭くなりにくい。その理由はウールの2面性にある

最初にウールは吸湿率が高く、芯が親水の素材と書きました。実は、ウールは疎水(水との相性が悪)の素材でもあります。そこに、消臭効果のすぐれた効果を発揮する理由があります。

化学繊維が臭くなりやすいのは、油分が関係している

ウェアが臭くなることありませんか?洗濯の生乾きもそうですが、汗とか含んだ服が臭くなることがあります。それは、人から出る皮脂汚れ、油分が関係しています。化学繊維は水をほどんど吸わないのですが、実は油との相性が良いのです。また、油は水を弾くため、ウェアに残留したものが臭いの原因です。洗濯などでも落ちにくいのは、この為です。

ウールは親水、疎水の2面性を持った特殊素材

ウールは内側は親水ですが、実は表面は疎水です。この疎水は水、汚れを弾く為、油分等が残りにくいのです。その為、匂いが発生しにくいという仕組みです。とても複雑な構造をしているのですね!

 

ウールの構造から把握するお手入れ方法

ウールは洗うと縮む印象がありませんか。実はその通りなのですが、なぜ縮むのでしょうか。ここにもウールの驚くべき機能があります。

状況に応じてウロコ状のスケールが動く

ウールの構造ウールを拡大した図です。実は乾燥した時はスケールが閉じるので、撥水の効果が非常に強く水に濡れるとスケールが開き繊維自体が吸湿を開始します。外側が疎水、内側が親水なのも、自然が生み出した調節機能の結果なのですね。そして、洗濯時に縮むのは、この機能が関係しています。

水に濡れたウールは、ウロコが引っかかり、元に戻りにくい

スケールが開くと、繊維自体が絡まります。洗濯時に天然繊維が縮むのはこの為なんです。しかし、これを解消したのは加工技術です。水に濡れてもスケールが開きにくいように加工し、洗濯しても縮みにくくしたものがあります。これは天然繊維と技術のいいとこ取りですね!その為、何も加工していないウールは縮む為、洗濯には確認が大切ですが、加工してあるウールは気にしなくても良いのが現状です。

 

ウールとアクリルの違い

ウールに似た素材のご紹介です。その名もアクリル。上記でもお伝えした通り、ウールは天然繊維アクリルは化学繊維です。見た目肌触りは似ていても、湿気の吸湿率が違うので、これも普段で使用する分には問題なく暖かい素材ですが、使用する環境が大事となります。

ウールとアクリルを混ぜる
ウールもアクリルも肌触りが似ています。混合することで縮みにくく、乾きやすいハイブリット素材を作り出すことができます

 

ウールは普段着でも使用しやすい

ウールは天然繊維でありながら、すぐれた効果を持つ素材であることをお伝えしてきました。ここまで複雑な機能を持っている天然繊維はかなり少ないです。そして、普段の生活で言えば消臭効果、保温力ともに優れ、運動と休憩が繰り返し行われる冬の肌着は、天然繊維のウールが優れているということですね。また、化学繊維もウールに似た機能性を持って進化しています。化学繊繊維は技術により解はそれぞれなので、また別でご紹介します。



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